議員立法については、「不適当」、「低調」等の指摘がなされることがあります。議員立法は内容が限定的だ、あるいは具体性に欠け漠然としたものだとか、内閣提出法律案が国会において成立する法律案の大半を占める中で、議員が地元や支持団体にアピールするためのもの程度で、取るに足らないものだ、という印象が一般にあるのではないかと考えます。しかし議員立法の数の増加等はもっと意味があり、役割の増加として積極的な評価をすべきものではないかと考えています。それをここにいくつかの論文等を載せながら論じていきたいと思います。

そして、役割が増加した議員立法を結実させる取組みをより円滑にする方向での様々な動きがあったことは事実ですが、それらが全て順調に展開したかというとそうとも言えないものの、様々な試行錯誤等を経ながら、今日ようやく新たな議員立法を支える形が構築されつつあるのではないかということも示したいと思います。 

 

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「議員立法の実態」は、議員立法の件数の概観をまず掲げています。

「内閣官房、内閣府の拡大と議員立法の役割」及び「「基本法類」の構造分析」は、投稿論文にリンクしており、全文を読んでいただけます。

「議員立法を結実させる動き」は、2つ目の論点に関するものです。成立した議員立法の具体的事例の整理もいくつか掲げてあります。

 

博士論文『議員立法の役割』は、平成30年3月に、博士(公共政策学)の学位を取得した論文です。上記の個別の論文を、一つの論文にまとめてあります。論文全文をリンク先で読むことができます。

 

「議員立法の成立と制度の整備、実践」は、平成30年10月に、日本政治法律学会で発表した際のレジュメを掲げてあります。「ねじれ国会」期に野党主導の議員立法で成立した「平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律(平成23年法律第91号)」に関する分析です。