○中央広間

 

 

 

中央広間は、議事堂中央塔の真下にあり、中央玄関から御休所へと通じる広間です。2階から6階までの吹き抜けになっていて、天井までの高さは32.62メートルあります。参観すると、「これは、法隆寺の五重の塔がちょうど入る高さです。」と説明がなされますが、昭和11年(1936年)発行の営繕管財局編纂『帝国議会議事堂建築の概要』には、中央広間内部と五重の塔の比較図が掲げられています。

         

 (NDL-d)

大変美しい作りで、平成23年(2011年)公開の万城目学原作の映画「プリンセストヨトミ」で架空の大阪国の建物として再現されたり、東京メトロのフリーペーパー(MetroWalker2015秋号)の表紙に使われたりしています。

 

         

 

 

   天井と窓には、ステンドグラスがはめ込まれ、光を採りこんでいます。議事堂のすべてを国産品で建設する方針でしたが、ドアノブ、郵便投函筒、そしてこのステンドグラスは外国製品です。

 

  

中央広間の四隅には、春夏秋冬の日本の四季を描いた油絵があります。当初は陶器のモザイクで作る計画でしたが、時間と費用がかかり過ぎるため、油絵に変更されました。この絵に関わった技術者の子息が、その後参議院で人事課長を努め、その者から原画が参議院に寄贈されたとのことです。

   

床には、10数種類の大理石を使ったモザイクがほどこされています。その数は約100万個にもなります。また、柱や壁は、沖縄県で採れた珊瑚石灰岩(さんごせっかいがん)でできています。この石には、巻き貝などの化石が数多く含まれています。