○「内閣総理大臣の指名」と国会の「先例」

 

 

 

 国会は、憲法、国会法及び衆・参議院規則などの議事関係法規に従って運営されますが、これらの法規だけであらゆる事態に対応することは不可能です。

   例えば、憲法第67条第1項において、「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他の全ての案件に先だって、これを行う。」と定められていますが、実際の議事運営においては、議員の議席指定や正副議長の選挙などの議院の構成のように、内閣総理大臣の指名に先立って進めるべきものもあります。

   憲法の規定を実際的に解釈すれば、議院が意思決定できるための前提条件を整える議席指定や正副議長の選出などよりも先立って行うことを求めているものではなく、意思決定の前提を整えた後、最優先の案件として処理することが義務づけられており、そのような解釈の確定を先例で行っていると言えましょう。

   このように先例は、円滑な議事運営を図るためのよりどころとなっています。