○有翼の獅子

 

 

 

国会議事堂本館の壁等には、何種類かの動物の姿が見られます。

 

  それらのうち、新古典主義建築の採用に伴うギリシャ・ローマを起源とするものに、翼のあるライオンがあります。古来から文様に使われており、キリスト教では、福音書の著者聖マルコの象徴となっています。聖マルコはヴェネツィアの守護聖人であるため、サン・マルコ広場にあるライオンの像を始め、ヴェネツィアのいたるところでこのデザインを見ることができます。黒澤明監督の「羅生門」、北野武監督の「HANABI」が受賞したヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞もこれに由来します。

 

これで顔が人間だと古代エジプトのスフィンクスですが、衆参のそれぞれの正玄関の横の壁に位置するこの翼のあるライオンのレリーフも、「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足。これは何か」という謎を出し、正しく答えない人は通さないということはないでしょうが、議員には真理を求める無言のプレッシャーを与えようという趣旨かもしれません。

 

 

 

 こうした話をした後、沖縄の知人から、「沖縄のシーサーは、昔、翼がついていて、空を飛んで来たけど、沖縄がとても良いところなので、翼がなくなり、住み着いた」という話を聞きました。議事堂の有翼の獅子は、まだ翼がなくってはいませんが、、。

 

 

 

「議会開設100周年記念5,000円銀貨幣」のデザインにも使われています。