○決算審査と政権交代

 

 

 

Q: 民主党政権が予算を編成・執行した結果である決算を、政権交代後の自民党・公明党は是認するか?

 

 

 

 平成22年度決算は、平成24年に継続的に審査され、総括的な質疑と表決を残すのみとなっていましたが、野田内閣の解散等で審査が止まっていました。

 

この平成22年度決算は、民主党政権が予算編成を行い、執行したものを内容としており、これを政権交代後の与党、自民党・公明党は是認するのか、しないのかということに興味が持たれました。

 

 

 

 似た状況にあった平成23年2月14日の参議院決算委員会で、社民党の又市征治議員は、「誰が編成し執行したかに関係なく、政府の執行予算が無駄なく効率的に、そして国民生活の再建に貢献したのかどうかの視点から厳密に審査することが参議院決算委員会に求められている 」と主張しています。

 

 

 

  同日の議決で、与党となっていた民主党の姫井由美子議員は、次のような主張で、前政権下で執行された結果である決算を是認しています。

 

  「私は、民主党・新緑風会を代表しまして、ただいま議題となりました平成20年度決算外2件に対し、その是認に賛成するとともに、内閣に対する警告を含む決議案に賛成する旨の討論を行います。(略)我々は、一昨年の政権交代以降、政府の予算編成及びその後の予算執行に重要な責任を担うことになりました。20年度決算は前政権下で執行された予算ではありますが、政権与党として、本院の決算審査において明らかになった経済や行財政運営の諸課題に対して適切な措置を講ずる責任があり、今後の国政運営に反映させていくことがより重要であるとの立場から賛成することとしたものであります。」「また、内閣に対する警告を含む決議案には全面的に賛成するものであります。現内閣に対しましては、これを真摯に受け止め、事態の改善に全力を尽くし、今後の予算編成及び行財政運営を通して適切な措置を講じていただきたいと思います。」

 

 

 

 平成25年5月20日、第183回国会の参議院決算委員会で、自由民主党の二之湯智議員は、次のように討論を行いました。

 

「私は、自由民主党・無所属の会及び公明党を代表し、平成22年度決算外2件並びに内閣に対する警告決議案及び措置要求決議案に賛成する旨の討論を行います。」「平成22年度予算は、政権を獲得した民主党が初めて独自編成した予算です。コンクリートから人へとの美辞麗句の下、仰々しく演じられた事業仕分を経て編成されたものですが、その実態は財源の裏付けなきばらまきと赤字国債増発でした。この民主党政権下の22年度予算では、無駄な歳出を抑えるどころか、当初予算の段階から歳出規模が90兆円の大台を超え、放漫財政のそしりを免れません。」「平成19年度決算審査の討論で、当時の民主党は、我が国の財政悪化に歯止めが掛からず、国の借金を一段と膨らませた、公債依存度は31%と依然として高い水準にあり、長期債務残高は767兆円を数えたとして、決算の是認に反対をしました。」「しかし、この22年度当初予算の状況を見ると、公債依存度は31%どころか48%で、22年度末の国の債務も千兆円に迫る勢いです。民主党政権の成立以降、当初ベースでは公債依存度が40%を超える異常な予算編成が繰り返され、財政悪化が更に進んでいます。」「(略)平成22年度決算については、このままでは到底容認できるものではありません。しかし、再び自公政権に戻った今、政府においては、この民主党政権の失政を教訓とし、規律ある財政運営と予算の適正かつ効率的な執行をお願いしたい……(発言する者あり)(委員長「静粛に。」)」「このことを要請し、私ども責任ある政府・与党の一角を担う者として是認に賛成いたします。(以下略)」

 

 

 

A:「到底容認できるものではありません。」と言いつつ、「是認に賛成」した。