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○国会議事堂の竣功 <その時代>

 

 

  国会議事堂は、大正9年から昭和11年まで17年の歳月をかけて、帝国議会議事堂として建設されました。

 

  どういう時代の中で竣功を迎えたのか、まとめてみました。 

 

<国会議事堂竣工前後の出来事>

 

大正9年(1920年) 

国際連盟創立日本加入、第1回箱根駅伝、カールマルクス『資本論』、米国で女性参政権、第1回国勢調査、新婦人協会

130日 議事堂・地鎮祭(原敬総理以下)(日枝神社宮司司式祭)

626日 議事堂・鍬入式

 

大正10年夏 

議事堂・鉄骨製造開始、鉄骨完成した分から組立

 

大正12年(1923年)

91日関東大震災(死者・行方不明 105千余)(M8前後、東京は震度6とされる。)<工事中の議事堂無事>

 

昭和2年(1927年) 

47日 議事堂・棟上式(若槻礼次郎総理以下)

 

昭和11年(1936年)

1月     ロンドン海軍軍縮会議から日本脱退。

226日 - 二・二六事件(陸軍青年将校らが1,483名の下士官兵を率いて起こしたクーデター未遂事件。武力を以て元老重臣を殺害すれば、天皇親政が実現し、政治腐敗と考える政財界の様々な現象や、農村の困窮が収束すると考えていた。)

<完成前の議事堂占拠>

37- ドイツがラインラントに進駐。

39- 広田弘毅内閣成立

51-69特別議会召集

57- 立憲民政党斎藤隆夫の粛軍演説

73- 日本プロ野球・巨人が一軍公式戦で初勝利(対大東京)。

716- 東京市の戒厳令解除

717- スペイン内戦勃発

731- 国際オリンピック委員会第12回夏季オリンピックを東京に

811- ベルリン五輪から河西三省が「前畑ガンバレ」の実況

919- 関門鉄道トンネル起工

926- スターリンの大粛清が本格的にはじまる。

11月3 米合衆国大統領選挙でフランクリン・ルーズベルト再選

114 議事堂・修祓式

115 議事堂・天皇行幸・巡覧

117- 議事堂・竣工式・祝賀会(朝野の名士約3千人を招待)

竣工式 午前10:30(中央玄関前広場)

開式の辞、君が代吹奏、

工事報告(営繕管財局工務部長)、

式辞 貴族院議長 公爵 近衛文麿

同上 衆議院議長   富田幸次郎

祝辞 内閣総理大臣  廣田弘毅

閉会の辞(営繕管財局総務部長)

祝賀会 正午(新議事堂裏側広場特設テント) 

1125- 日独防共協定締結    

1210- (英11日)英エドワード8世退位。ジョージ6世即位

1224-70議会召集

 

 (ウィキペディア及び営繕管財部編纂『帝国議会議事堂竣功式典記録』(昭和12年(1937年))より作成。)

 

(「屋上より御展覧あらせらる」昭和天皇の眼前には、数ヶ月前に二・二六事件の軍隊が展開していた場所が広がっていたものと思われます。陛下は何を感じていらっしゃったのか、そうしたことを考えさせられてしまいます。)